遺伝子組換えムコ多糖症ⅣA型治療剤 ビミジム®

ビミジム®の概要1

ビミジム®はムコ多糖症ⅣA型(MPS IVA、モルキオ症候群A型)に対する酵素補充療法製剤です。

承認情報

承認
年月日
希少疾病用医薬品指定年月日
2012年12月11日(指定番号:第295号)
製造販売承認年月日
2014年12月26日
販売開始(薬価収載)年月日
2015年4月23日

効能又は効果

ムコ多糖症IVA型

用法及び用量

通常、エロスルファーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1㎏あたり2㎎を週1回、点滴静注する。

用法及び用量に関連する注意

1日局生理食塩液で希釈した後に投与すること。
下表を参考に投与速度は患者の状態を確認しながら徐々に上げ、注入ポンプを用いて本剤2㎎/㎏を約4時間以上(25㎏未満:3.6時間以上、25㎏以上:4.3時間以上)かけて静注すること。

体重範囲
25㎏未満
25㎏以上
薬液総量
100㎖
250㎖
投与開始~15分
3㎖/時
6㎖/時
15~30分
6㎖/時
12㎖/時
30~45分
12㎖/時
24㎖/時
45~60分
18㎖/時
36㎖/時
60~75分
24㎖/時
48㎖/時
75~90分
30㎖/時
60㎖/時
90分以降
36㎖/時
72㎖/時

本剤の投与によりinfusion reaction(頭痛、悪心、嘔吐、発熱、悪寒、腹痛等)が発現することがある。
これらの症状を軽減させるため、抗ヒスタミン剤を単独又は解熱鎮痛剤との併用で本剤投与開始30~60分前に前投与すること。

製剤写真(画像)

順次公開予定です。今しばらくお待ちください。

ビミジム®の作用機序2

  • ビミジムの作用機序1
    MPSIVAの原因は、重要なライソゾーム酵素であるN-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ(GALNS)の遺伝的欠損である。
  • ビミジムの作用機序2
    GALNSはGAGの異化に関与する。
  • ビミジムの作用機序3
    MPS IVAでは、GALNSの酵素活性欠損のため、全身でライソゾームにGAGが蓄積し、細胞・臓器系の機能障害がもたらされる。
  • ビミジムの作用機序4
    細胞レベルでは、GAGの蓄積によりライソゾームの膨れ、細胞質内の小器官密集が生じ、細胞機能が著しく妨げられ、二次的な発病カスケードが活性化される。
  • ビミジムの作用機序5
    ビミジム®(エロスルファーゼアルファ)は外因性遺伝子組換えヒトGALNS酵素であり、マンノース-6-リン酸受容体への結合を介してライソゾームに取り込まれる。
  • ビミジムの作用機序6
    ライソゾーム内で、ビミジム®はGAGの異化を増加させ、細胞機能を回復させる。

ビミジム®の特徴3

  1. ムコ多糖症IVA型患者176例(プラセボ投与群59例、ビミジム®2㎎/㎏/週 投与群58例〔日本人2例〕、ビミジム®2㎎/㎏/隔週 投与群59例〔日本人4例〕)を対象としたプラセボ対照二重盲検試験(年齢範囲:5~57歳)を実施した。
    全患者に対して抗ヒスタミン薬を前投与した。必要に応じて、解熱薬、副腎皮質ホルモン剤を投与した。
    ビミジム®2㎎/㎏/週 投与群では、24週目にプラセボ群と比較して6分間歩行試験(6MWT)の歩行距離に有意な改善が認められた。4
  2. Infusion reactionが、本剤の投与中又は投与終了翌日までに発現することがある。
    臨床試験で認められた主な症状は頭痛、悪心、嘔吐、発熱、悪寒及び腹痛であった。
    Infusion reactionが発現した場合には、その重症度により投与速度を下げるか、投与を一旦中止し、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱剤又は副腎皮質ホルモン剤の投与)や緊急処置を行うこと。
    重度のinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行い、本剤投与の再開については、有益性と危険性を考慮し決定すること。5
  3. 重大な副作用として重篤なinfusion reaction(本剤投与中又は投与終了翌日までに発現する反応)(5.4%)があらわれることがある。
    主な副作用(10%以上)として発熱、悪寒、疲労、頭痛、嘔吐、悪心、下痢、腹痛、上部腹痛、口腔咽頭痛が報告されている。
    添付文書の副作用の項及び臨床成績の項の安全性を参照すること。

詳細は添付文書、総合製品情報概要をご参照ください。

ビミジム®に関するお問い合わせ

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参考文献