フェニルケトン尿症治療剤 パリンジック®

パリンジック®の概要

パリンジック®はフェニルアラニン水酸化酵素(PAH)を代替し、PAHと異なりBH4非依存的にフェニルアラニン(Phe)をアンモニア及びケイ皮酸に代謝することで、血中Phe濃度を低下させる薬剤です。

効能又は効果

フェニルケトン尿症

効能又は効果に関連する注意

本剤の適用は、既存治療を行っても血中フェニルアラニン濃度のコントロールが不十分な場合に限り考慮すること。

用法及び用量

通常、成人にはペグバリアーゼ(遺伝子組換え)として1日1回20mgを維持用量とし、皮下投与する。
ただし、週1回2.5mgを開始用量として、以下の漸増法に従い、段階的に増量する。
1日1回20mgを一定期間投与しても効果が不十分な場合は、40mg又は60mgに段階的に増量できるが、最大用量は60mgである。
なお、患者の状態に応じて適宜増減する。

1日1回20mgまでの漸増法
用量・投与頻度 投与期間
2.5mgを週1回投与 4週間以上
2.5mgを週2回投与 1週間以上
10mgを週1回投与 1週間以上
10mgを週2回投与 1週間以上
10mgを週4回投与 1週間以上
10mgを1日1回投与 1週間以上
20mgを1日1回投与

用法及び用量に関連する注意

  • 維持用量に達するまでの間は、食事からのフェニルアラニン摂取量を一定に保つよう管理し、月1回以上の頻度で血中フェニルアラニン濃度を測定し、過敏症反応の発現等の患者の状態に留意して慎重に漸増すること。その後も患者の状態を観察し、定期的に血中フェニルアラニン濃度を測定して血中フェニルアラニン濃度を適切に管理すること。
  • 40mgへの増量は、1日1回20mgを原則24週間以上投与しても効果が不十分な場合に考慮することができる。患者の状態に応じて1日1回20mgを12週間以上投与しても効果が不十分な場合にも40mgへの増量を考慮することは可能であるが、その必要性については個々の患者の状態を踏まえて慎重に判断すること。 60mgへの増量は、1日1回40mgを16週間以上投与しても効果が不十分な場合に考慮することができる。 一定期間投与しても十分な効果が得られない場合は、有益性と危険性を考慮して投与継続の必要性を判断すること。
  • 本剤の投与によりアナフィラキシーを含む過敏症反応が発現することがある。症状を軽減させるため、抗ヒスタミン剤及び必要に応じて解熱鎮痛剤を本剤投与開始2~3時間前を目安に前投与すること。前投与は、少なくとも維持用量に達するまでの間は行い、維持用量での投与においても患者の状態に応じて行うこと。
  • 投与開始に際しては緊急時に十分な対応をとれる医師の監督のもとで本剤を投与すること。投与後少なくとも1時間は患者を十分に観察すること。

パリンジック®の作用機序

  • 本剤は、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)を免疫原性の低減と消失半減期の延長を目的としてポリエチレングリコール(PEG)化した製剤です。
  • 本剤はフェニルアラニン水酸化酵素(PAH)を代替し、Pheを補酵素テトラヒドロビオプテリン(BH4)非依存的に、アンモニアとケイ皮酸に代謝します。
  • この作用機序により、欠損したPAHを代替することで血中Phe濃度を低下させます。
PEG化(イメージ) PEG化(イメージ)PAL(フェニルアラニンアンモニアリアーゼ)→PEG-PAL(ペグパリアーゼ(遺伝子組換え))

オンライントレーニングプログラム

実臨床でペグバリアーゼ治療をスムーズに開始できるように、導入・漸増期から維持期への移行をサポートするプログラムです。

パリンジック®に関するお問い合わせ

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参考文献